教習所では運転の知識と技術をしっかり教えてくれます。
しかし、限られた教習時間の中では伝えきれないことも多々あります。
そのうちの1つがドライバー間の暗黙の了解です。
今回は車に備え付けてある装置を使い相手に対して意思を示す譲り合い、感謝の仕方を教えます。
譲り合いをしよう!
パッシングライト
車のライトを短くパッパッと数回点滅させる行為です。
これは相手に対してお先にどうぞと道を譲る意味があります、反対に自分が先に行くから停まってくださいという意味もあります。
相手のスピードや状況をよく見てどちらの意味なのか判断してください。
自分が交差点などで右折しようと待っているときにパッシングで譲ってくれる場合が多いです。
対向車の側方から進行してくる二輪車や原付、横断している歩行者や自転車には十分注意して進みましょう。
あまり良いとは言い難いですが警察がこの先でネズミ捕り(スピード違反取り締まり)をしていると対向車に伝えるというのもあるようです。
ハンドル右側にあるウインカー(方向指示器)のレバーを手前に引くと引いている間パッシングライトが光っていて手を離すと消えます、2,3回程繰り返し光らせましょう。
ヘッドライト(前照灯)
住宅街に多い見通しの悪い交差点を通過する時にヘッドライトの上向き(ハイビーム)と下向き(ロービーム)を切り替えて横から進行してくる車に自分の存在を知らせることもあります。
ヘッドライトの上向きでは約100m先まで光を照らしてくれるので、交差点での出会い頭事故防止に役立ちます。
上向きと下向きの切り替えはウインカー(方向指示器)のレバーを奥に押してください。
押している間は上向きです、手前に戻せば下向きになります。
また、夜間にヘッドライトを消して対向車に道を譲ることがあります。
ウインカー(方向指示器)
一本道などで前の車が左のウインカーを出して道端に車を寄せたら、追い越してくださいというサインです。
登りの坂道を走るトラックや除雪車などがよく使います、対向車の有無を確認して安全に追い越ししましょう。
自分が後ろの車からあおり運転をされている場合は、早々に道を譲って先に行かせた方が良いでしょう。
ただし、ウインカーではなくハザードランプを点灯させて道端に寄った時は道を譲るのではなく車庫にバックで車を入れるために向きを変える可能性もあるので注意しましょう。
ありがとうを伝えよう!
手をあげる、軽く会釈する
譲ってくれた方とすれ違いざまに手をあげるか軽く会釈するだけでOKです。
相手が手をあげてありがとうを伝えてきたら、こちらも手をあげて返してあげましょう。
道を譲ってあげた車の後ろにいるトラックのドライバーさんに感謝されることもありますよ。
ハザードランプをつける
赤い三角のスイッチを押してウインカーを左右同時に数回点滅させる行為です。
夜間で車の中が見えないときや、運転操作で手をあげる余裕がない時に使います。
また、高速道路で前方が渋滞中であることを後ろの車に知らせる時にもハザードランプを使います。
短くクラクションを鳴らして感謝を伝える人がいますが、
年配の人がやりがちなのですが、周囲の他車に自分が何かして鳴らされたと勘違いして不要なトラブルを起こしてしまうかもしれないのでやめましょう。
運転免許試験の時にも要注意
これから修了検定や卒業検定を受験される人も自分に向けられた合図に気づかずにいると減点や不合格の対象になるかもしれません。
パッシングで道を譲ってもらっているのに気づかず停止したままでいると、発進手間取り(進める状況なのに進まない)という減点となります。
横に乗っている試験官から『良ければ発進してください』と言われますが、それでも進まず他の交通の妨げになるようだと発進不能という危険行為で試験は不合格になります。
前の車が追い越してくださいとウインカーを出した時も注意が必要です。
追い越すときには安全確認と合図を正しく出さないと減点されます。
前を走っている車が道端に寄せて完全に停止する前に中央線(黄色、白の実線で描かれているもの)を越えて追越ししてしまう、または対向車の妨害となるような追越しをしてしまうと右側通行という危険行為で試験は不合格になります。
中央線が白色の破線で描かれている場合は、前の車が動いている最中だとしても対向車や周囲の状況を良く見て追越しをしても大丈夫です。
最後に
必ずしもできないといけない事ではないですが、自分に向けて行われたときに意味を分かっていなければ円滑な交通を阻害してしまうかもしれません。
譲り合い、感謝し合うことで気持ちの良い運転ができますよね。
ドライバー同士優しい気持ちを持つことで無用な事故やトラブルを防ぐことができます。
明日からぜひ実践してみてください。